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2005年4月13日【プレスリリース】広島、東京

第55回パグウォッシュ会議年次大会
広島国際会議場, 2005年7月23―27日
「ヒロシマ・ナガサキから60年」

【2005年パグウォッシュ会議年次大会の日本での開催】

パグウォッシュ会議(会長:S.M.スワミナサン)は、「第55回年次大会」を、本年7月23日から27日まで、広島市平和公園内の広島国際会議場で開催します。

大会には40数カ国から約200名の科学者が参集し、核廃絶と平和について、5日間に及ぶ密度の濃い討論を行います。また本会議の前後に、パグウォッシュ評議会ならびにパグウォッシュ若手グループの会議が、広島国際会議場及び広島国際青年館(アステール・プラザ)において開かれる予定です。

今年(2005年)は、第二次大戦終結および広島・長崎被爆の60周年、核兵器廃絶と戦争廃絶を訴えたラッセル・アインシュタイン宣言50周年にあたります。またパグウォッシュ会議にとっては、ノーベル平和賞を、当時のジョセフ・ロートブラット会長とともに受賞してから10年目の年になります。

この節目となる年にパグウォッシュ会議は、被爆50周年の1995年に引き続き、再度、広島の地で「第55回パグウォッシュ会議年次大会」を開催すると決定しました。この決定を受け、現在、日本パグウォッシュ会議(パグウォッシュ会議の日本グループ)は、広島県・市をはじめとする関係団体・諸個人のご支援をいただきながら、鋭意開催準備を進めています。

【パグウォッシュ会議とは】

パグウォッシュ会議は、1955年の「ラッセル・アインシュタイン宣言」にもとづいて、東西両陣営を問わず集まった世界の著名な科学者によって、結成されました。1957年の発足以来、毎年、世界各地で年次大会を開く他、折に触れて特定の問題に焦点を絞った専門家会合を行ってきています。

とりわけ冷戦の最中には、対立する東西両陣営の学者・専門家が何日間にもわたって合宿しながら、率直な意見の交換ができるほぼ唯一の場であったため、米ソの核政策にもかなりの影響を及ぼしました。例えば部分的核実験禁止条約(1963)や、核不拡散条約(1970)等は、パグウォッシュ会議の場での提起が基礎となって成立したとされています。

こうしたパグウォッシュ会議の成果については、専門家以外に広く知られることはありませんでした。しかし近年においても、例えば米中の核政策専門家が、非公式に突っ込んだ議論をする場として活用されるなど、パグウォッシュ会議は、世界各国、そして国連の軍縮・安全保障政策の動向に、相当の影響を及ぼしてきました。1995年にノーベル平和賞を受賞したのも、同年7月に広島で開催された年次大会においてパグウォッシュ会議が冷戦後の核軍縮の道筋を明快に示したことと共に、戦争・核兵器の廃絶という目標を見失わずに国際政治に実質的な貢献をはたしてきた長年の地道な努力が評価されてのものでした。

【話し合われるテーマ】

今回の年次大会の全体テーマは「ヒロシマ・ナガサキから60年」です。特に本年は、5年に一度のNPT(核不拡散条約)の再検討会議がニューヨーク国連本部で5月に開かれる年です。これはブッシュ政権発足以来、初めてのNPT再検討会議であり、その成否が関心の的になっています。この会議終了を受けて、今後どのように核軍縮を進められるのかが、広島年次大会での討論の、一つの焦点となります。

プログラムには記念講演やパネル討論があり、これらは市民にも公開されます。パネル討論のテーマとしては、
「核兵器廃絶に向けて」 (7/24午後)
「中東における大量破壊兵器禁止地域の構想」 (7/26午前)
「東アジアの地域安全保障」 (7/26午後)
の3つを予定しています。また、
「パグウォッシュの科学者と市民との対話」 (7/24午後)
というセッションを設け、広島市民からの声を、世界の科学者に伝えます。

なお、分散して行われるワーキンググループ(非公開)では、以下の6つのそれぞれのテーマについて、参加科学者達が突っ込んだ議論を展開します。テーマは:

  1. 「ラッセル・アインシュタイン宣言の今日における意義と核廃絶」  
  2. 「不拡散・軍備管理・軍縮に向けての多国間イニシアチブ」  
  3. 「テロリズム、人権、国際安全保障」  
  4. 「イスラム世界と西洋(仮題)」        
  5. 「東アジアの地域安全保障」  
  6. 「持続可能な発展と、安全保障への非軍事的脅威」。
です。

以上

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