Home最新情報(FB版)パグウォッシュ会議についてリンク集連絡先
News

メッセージ

「ヒロシマ・ナガサキから60年」というテーマを掲げて、科学者の社会的責任を討議するため、再び広島の地に集われた皆様に、敬意を表します。

10年前、私は外務大臣として、「核兵器のない世界に向けて」広島で年次大会を開かれた皆様に、メッセージをお送りしました。この年、パグウオッシュ会議は、核廃絶への長年の努力を評価され、議長のサー・ジョセフ・ロートブラットと共にノーベル平和賞を受賞されました。

その後、国際司法裁判所の勧告的意見、包括的核実験禁止条約の採択、そして、5年前のNPT再検討会議における「13+2のステップ」の国際合意等がみられました。ところが1998年にはインド、パキスタン両国が核実験を行ない、21世紀に入って米国は包括的核実験禁止条約に反対するようになりました。さらに近年、北朝鮮はNPTからの脱退を表明し、また、今年のNPT再検討会議は全く不調に終わってしまいました。

しかし、人々の願うものが核廃絶であり戦争のない世界であることに変わりはありません。核軍縮の歩みが頓挫しているように見うけられる今こそ、皆様の活動はいっそう重要なものとなっています。  さかのぼれば60年前、日本国民は、諸国に多大の損害を強い、自らも310万の国民を犠牲とした無謀な戦争をふりかえり、文字通りのがれきの中で、反省する機会を与えられました。

不戦を誓って私たちが選び取った日本国憲法は、50年前にラッセル=アインシュタイン宣言が示した「戦争の廃絶」という英知に通じる精神を体現しています。私たちはそれを誇りに思っています。

第55回パグウオッシュ会議年次大会の成功をお祈りいたします。

2005年7月23日
日本国衆議院議長
河野 洋平

Top