Mathematica を用いた動くグラフの Flashムービー
Mathematica で作成したグラフをFlashムービーにする方法についての解説です。Mathematicaについての知識のある方を対象とします。Mathematica を知らない方は、まず、市販の書籍等で Mathematica について学習してください。なお、内容の検証には Mathematica 5 を利用しました。
by 稲垣
サンプルファイル
- sample.nb(294) 下記の手順で作成した Mathematica ノートブック
- sample.fla(280) 下記の手順で作成した Flash fla ファイル
- sample.swf(328) 完成した Flash swf ファイル
作成手順
Mathematica を利用すると簡単にグラフを描けますし、関数のパラメータを変えながらグラフの変化をアニメーションにして見ることができます。Flashムービー作成準備のため以下の手順でグラフを用意しておきます。まずは、Mathematica の練習から。Mathematica を起動して、
[ファイル]→[新規作成]
として新しいノートブックを開き、
Plot[Cos[x],{x,0,2*Pi}]
と入力し、[Shift]キーを押しながら[Enter]キーを押してください。関数cos(x)のグラフが0<x<2πの範囲で描けましたね。今度が本番です。
Do[Plot[Cos[x - t], {x, 0, 2*Pi}], {t, 0, 19*Pi/10, Pi/10}]
と入力し、[Shift]キーを押しながら[Enter]キーを押してください。今度は関数cos(x-t)のグラフが20枚、tの値を0から19π/10までπ/10刻みで変えながら描けたと思います。これを続けて表示すると、cos(x-t)で表される波1周期分のアニメーションができます。1番上のグラフをダブルクリックすると20枚のグラフが連続的にアニメーション表示されます[1]。
これを、Flashムービーにしましょう。Mathematica のグラフをどうしてFlashアニメーションにするのかというと、Flash の Actionscript と組み合わせてインタラクティブな教材を作成したり、Flash で見栄えをかっこよくするためです。Mathematica のアニメーション表示で十分であれば、わざわざFlashムービーにするメリットはほとんど無いと思います。さて、先ほど作成したグラフを
[ファイル]→[特別な形式で保存]→[HTML]
と選択し、適当な名前(例えばsample)で保存してください。上記の通りに作業を進めた場合は、sample という名前のフォルダの中に、index.html ファイル、HTMLFiles フォルダ、HTMLLinks フォルダができていると思います。描画したグラフは、HTMLFiles フォルダ中に index_?.gif という名前で保存されます。最初の3つは はじめに入力したPlot[Cos[x],{x,0,2*Pi}]とその出力で、4つ目の index_4.gif は、次に入力したコマンド、Do[Plot[Cos[x - t], {x, 0, 2*Pi}], {t, 0, 19*Pi/10, Pi/10}]、です。アニメーションにしたいグラフは、index_5.gif から index_24.gif の20個のファイルです[2]。ここまでで、Mathematica での作業はおしまいです。
今度は、Flash を起動してください。
[ファイル]→[新規]
として新しい Flash ドキュメントを開きます。
[ファイル]→[読み込み]→[ステージに読み込み]
として、開いたウインドウで先ほど作成した sample フォルダの中の HTMLFiles フォルダから、アニメーションにするグラフの先頭だった index_5.gif を選択して[開く]をクリックします。Flash はファイル名の最後が数字の場合、シーケンシャルファイルとして続き番号のついたファイルも読み込もうとします。このとき、
このファイルはシーケンスの一部です。シーケンスのイメージすべてを読み込みますか?
と聞いてきますので、はいを選択してください。これでおしまいです。
[制御]→[ムービープレビュー]
で確認してみましょう。
最終更新時間:2004年01月07日 11時58分23秒