研究の目的:本研究は、計算機シミュレーションを利用することで、その特徴、及び自然科学の基礎概念把握に効果的なカリキュラム、授業計画の企画、テキスト、学習コンテンツの開発を行うことを目的とする。開発成果は自由に再配布できる形で教育関係者、学習者に提供することで、新たなコミュニティー形成を視野に研究を進めていく。これにより、計算機シミュレーションを用いた研究現場と高校教育現場が有機的に結びつき、新しい時代の教育の足掛かりになればと期待している。本研究は、新世紀理数系教育の将来像を見据え長期的な成果が期待できると同時に、短期的にも自然科学に対する最先端の研究に根ざした新たな興味を誘発できるという意義を持つ。最終的には、開発したコンテンツが気軽に利用される状況を目指したいと考えている。 本年度の研究実施計画:高校生向け科学教育の中で計算機シミュレーションが有効かつ最も基本と考えられる概念を抽出し、これまでの研究で有効であった方法を適用し、基礎概念の把握に効果的なカリキュラム、授業計画の企画、テキスト、学習コンテンツの開発を行う。また、実験授業を実施し、その教育効果についてアンケート調査により評価する。このため、最新ツールの試行するサーバとコンテンツ開発用ノートパソコンを導入する。学習コンテンツの作成には謝金(研究補助)を利用し、マルチメディアの利用に関しては、映像コンテンツ作成経験を持つ研究支援者と協力し効率的に作業を進める。 基本的に以下の役割分担で本研究計画を進めていく。 1.基本概念を抽出、教育目標を設定、カリキュラムと授業計画を企画する。各テーマについて1時間分のテキストを執筆し、有効なシミュレーションコンテンツを検討、開発する。(稲垣、中村、長登) 2.マルチメディアコンテンツ作成を指揮する。最新ツール試行サーバの設定と運用を行う。(隅谷、長登) 3.呉高専、大島高専で実験授業を実施、また、モニターによる受講を行う。(稲垣、中村、佐々井、深澤) 4.アンケート調査により、開発成果の教育効果について調査、改善策を検討する。(隅谷、佐々井、深澤) なお、実験授業を行う呉高専、大島高専とは相互に訪問し合いつつお互いに得るものが大きい授業が実施できるよう十分な準備を行う。 平成14年度採択課題名(該当する場合のみ): 平成15・16年度採択課題名(該当する場合のみ):計算機シミュレーションを用いた理数系教育電子教材の研究 URL(リンクできるホームページ):http://www.riise.hiroshima-u.ac.jp/ePhysics/