横波と縦波

<横波>

片方の端を固定した紐の他端を上下に振動させると、その振動は次々と隣の部分に 伝わって行きます。この時、波の媒質である紐は、それぞれの位置で上下に振動 を繰り返す事で、波形を連続的に伝えている事がわかります。つまり媒質の各点 での振動方向と、伝わる波の進行方向とは互いに垂直であると言えます。この ような特徴を持った波を横波と呼びます。


<縦波>

先程の紐をばねに置き換えて考えてみましょう。ばねを滑らかな水平面に置き、 その一端を左右に振動させると、その振動は次々と隣の部分に伝わって行きます。 この時の波の伝わり方は、ばねの密度の疎な部分と密な部分とが交互に生じて いると言う特徴があります。つまり媒質の各点での振動方向と、波の進行方向 とが一致していると言えます。このような特徴を持った波を縦波と呼びます。



視点

きょうざいへ 以下の視点で教材を眺めましょう。
case 1:縦波と横波を比較しましょう。それぞれの波の伝わり方に着目して、 伝われる媒質、伝わりにくい媒質についても考えましょう。
case 2 :身の回りの波について考えましょう。電波やラジオ波、音波 はそれぞれどちらの波に分類できるでしょう。



問い

以下の問題を考えましょう。
q 1:媒質の平衡点からの変位を使うと、縦波と横波の変換が出来ます。 それぞれの変換について試してみましょう。
q 2:最初静止している媒質に波を起こす事は、媒質にあるエネルギーを与えて いると考えられます。波として波形が伝わる際、その波の持つエネルギーはどのように 考えれば良いでしょう。次の事を試してみましょう。
(1)媒質を大きくゆすった時と小さく動かした時で、伝わって行く波の速さを比較して みましょう。(運動エネルギーの比較)
(2)媒質の張力(紐の張り方やばね定数等)を変えた場合はどうなるでしょう。 (位置エネルギー相当量の比較)