1.1 2体問題

ここでは、万有引力が作用し合う二つの球の運動を考えてます。

質量のある2つの物体には万有引力が働きます。
万有引力とは宇宙空間で星と星の間で働いている力のことで私達が感じている地 球の重力と同じものです。 万有引力の法則によると質量Mの質点aが質量mの質点bに及ぼす力は質点a質点bの間の距離の2乗に反比例しており、

で与えられます。私達は日常では地球上の表面でしか生活しないので重力は一定 と感じますが、この法則によると距離rが増加すると万有引力(重力)の強さは小 さくなっていきます。
この場合、位置エネルギーは

です。
本教材では青色の球と緑色の球とに万有引力が作用しており、摩擦や球同士の衝 突は無いとしています。球同士は相互作用してエネルギーをやりとりするので球 ひとつを見るとエネルギーは保存していないように見えます。しかし、青球と緑 球のエネルギーの和はやはり保存しています。ボールをクリックアンドドロップ で投げ入れて観察してみてください。

視点

以下の視点で教材を眺めましょう。
個々の球はエネルギー保存していないのか?:
止まった青球に緑球を投げ入れてみてください。始め止まっていた青球はどうな りましたか?
全体のエネルギーはどうか?:
上で見たように相互作用する球はエネルギーのやりとりをしています。では全体 のエネルギーはどうでしょうか?。球同士が近付いたとき(位置エネルギーが小さ いとき)に運動エネルギー(球の速度)はどうなっているでしょう。位置エ ネルギーが小さくなったときには運動エネルギーが大きくなっているのがわかり ましたか?[キーワード:ケプラーの第2法則]
軌道をみる:
球を投げ入れていろいろな星の運動の奇跡を見てください、「軌道を見る」 のチェックボックスをonにすると軌道が表示されます。どんな軌道がありました か?。投げ入れる速度と位置によって2種類の軌道が得られるはずです。
1:放物線や双曲線=投げ入れた球は万有引力で反跳して遠くへ飛び去り帰って来 ません。
2:楕円軌道=投げ入れた球は青球を焦点とした楕円軌道を描きます[ケプラーの 第1法則]。(いまは投げ入れたせいで焦点が等速直線運動をしてしまいます)

青球が重い場合:
サンプルボタンを押してみてください。球の質量と初期条件を変えた場合の運動 が表示されます。全て周期的な運動をしていますね。

問い

楕円運動するときの周期はいつも同じですか?[キーワード:ケプラーの第3法則]
球がいくつあっても周期的な運動をするのでしょうか?
惑星の運動に関するケプラーの法則は全部で3つあります調べてみましょう。

比較

次の教材と比較してみましょう。
3.1 3体問題: 壁に衝突した際に壁とエネルギーを交換します。