TQFT 2016 Abstracts
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- 末永 大輝 (名古屋院理)
--- 核物質中でのカイラル対称性を探るプローブとしての反D中間子
本研究では、反D中間子の核物質中での質量・分散関係・スペクトル関数の補正を計算する。反D中間子は反チャームクォークを含むため1/M展開が可能であり、かつ軽いクォークも含むためカイラル対称性を尊重しつつ核物質と相互作用が可能である。 よって、これらの補正は核物質中でのカイラル対称性を反映しており、すなわち反D中間子は核物質中でのカイラル対称性の情報を引き出す良いプローブであると言える。本研究では特に負パリティと正パリティの反D中間子をカイラルパートナーとして導入し、特にこれらの反D中間子間の違いに着目する。
- Suzuki Masuo (Riken)
--- Canonical Theory of Dissipative dynamics
In order to describe both.the current and entropy production in dissipative systems, we formulate
a canonical theory of such systems. This is a unification of the Onsarger,Kubo,Prigogine and Zubarev theories.
- 北沢 正清 (阪大理)
--- 確率論的拡散方程式による3次ゆらぎの時間発展の記述
近年、重イオン衝突実験において保存電荷ゆらぎの高次キュムラントの測定が活発に行われている。これらの実験結果を正しく理解する上では、衝突初期に生成されたゆらぎがその後の時間発展の間に変化する様相を適切に理解する必要がある。保存電荷ゆらぎの時間発展を記述する代表的な方程式として、拡散方程式にノイズ項を加えた形式である、確率論的拡散方程式が知られている。しかし、通常確率論的拡散方程式で記述されるのはガウスゆらぎまでであり、素朴にはこの形式で非ガウスゆらぎの時間発展を記述することはできない。本研究では、確率論的拡散方程式のノイズ項に密度依存性を持たせることで3次ゆらぎの時間発展が記述できることを見る。
- 長谷川 雅大 (東大物性研)
--- 量子ドット系における温度・化学ポテンシャル駆動断熱ポンピングの理論
量子ドットとは、少数のエネルギー固有状態を持つ人工的な系であり、近年の表面微細加工技術の発展により半導体表面上に作成することが可能となった。
この量子ドットに複数の電極(電子浴)を接続した際の量子ドットを介した電子の非平衡輸送特性は、量子的な性質が輸送に強く現れるため研究が盛んに行なわれている。
そういった輸送現象の一つとして、周期的なパラメーター変調によって粒子あるいはエネルギーを電子浴間でやりとりするポンピング現象がある。
本研究では、量子ドットと電子浴が強く結合している領域(コヒーレント伝導領域)において、電子浴に断熱的かつ周期的な温度・電圧変調を印加した際に、電子浴から電子浴へ電荷をポンプする現象について発表する。
- 福嶋 健二 (東大理)
--- Recent progress on anomalous transport phenomena in chiral matter
I will review recent progress on anomalous transport phenomena such as the chiral magnetic effect, the chiral separation effect, the chiral vortical effect, the chiral magnetic wave. These effects exist already in the collisionless limit, but recently, some new effects induced by the collision terms are attracting attentions, some of which will be also covered by this talk.
- 山本 一博 (広大理)
--- ウンルー放射は存在するのか?
ウンルー効果は、加速度系から見るミンコフスキー真空が熱的励起状態として見えるという理論予言である。ChenとTajimaは、PRL 83 256(1999)において加速運動する電子からウンルー効果に起因する放射(ウンルー放射)を評価して、ウンルー効果の実験的検証の可能性を指摘した。しかし、その後ウンルー放射に関してたびたび議論がなされているが、必ずしもコンセンサスがえられていない。この講演では、最近のウンルー放射に関する議論について紹介する。特に、Iso et al. PRD 84 025005(2011)によって与えられたウンルー放射の評価法とその拡張、結果について報告する。また、他の関連する研究との関係についても議論する予定である。
- 石見 涼 (新潟大自然)
--- 格子QCD計算によるO(4)スケーリングを用いた相転移線の曲率
改良されたウィルソンクォークを用いた 2フレーバーQCDのシミュレーションでは、カイラル秩序変数のスケーリング則が3次元O(4)スピン模型のスケーリング則と同じであることがわかってきた。我々はこの解析を有限温度・密度QCDに拡張し、低密度におけるカイラル相転移の振舞を議論していきたい。
- 久徳 浩太郎 (理研iTHES)
--- 重力波天文学
重力波及び重力波天文学に関するレビュー講演を行う。
- 山中 由也 (早稲田大学基幹理工学部)
--- 有限サイズ系におけるゼロモードの量子及び熱揺動と不安定性
冷却原子系のように有限領域に閉じ込められた系において、自発的対称性の破れに伴うゼロモードの存在は無視することはできない。ゼロモードを量子的自由度と取り入れなければ正準交換関係を破ってしまうからである。本研究では量子的自由度として存在することを前提に、新たに生み出される量子揺らぎ、有限温度系では熱揺らぎを計算し、それらの物理的影響を論ずる。動的不安定性やLandau不安定性とは別に、ゼロモード由来の新たな不安定性についても論ずる。
- 近藤 慶一 (千葉大院理)
--- Higgs mechanism without spontaneous symmetry breaking and quark confinement
We propose a novel description for the Higgs mechanism by which a gauge boson
acquires the mass in a manifestly gauge-invariant way. In the Higgs mechanism,
we do not assume spontaneous breakdown of gauge symmetry signaled by a
non-vanishing vacuum expectation value of the scalar field. The spontaneous
symmetry breaking is sufficient but not necessary for the Higgs mechanism to
work. This enables us to discuss the confinement-Higgs complementarity from a
new perspective.
- 石原 雅文 (東北大AIMR)
--- Holographic Schwinger Effect and Chiral condensate in SYM Theory
By using the holographic duality, we study the Schwinger pair production rate from the imaginary part of the on-shell D7-brane action embedded in the 10-dimensional gravity background which is dual to the confinement field theory with broken chiral symmetry. By comparing the production rate in this background with the one obtained in $AdS_5\times S^5$, we calculate the relation between the dynamical quark mass and VEV of chiral condensate, and compare the result with the dynamical quark mass given by the Nambu-Jona-Lasinio model.
- 白銀 瑞樹 (新潟大院自然)
--- 微分法とgradient flow法による一時相転移点近傍での熱力学量の研究
SU(3)ゲージ理論の有限温度相転移は、熱力学量の変化にギャップが出来る一次相転移であることが知られている。本研究では、その一次相転移点直上で大規模なシュミレーションを行うことにより、高温相と低温相のエネルギーのギャップである潜熱や、本来ゼロであるべき圧力のギャップを測定する。本研究ではgladient flowを用いた状態方程式の方法によって、1次相転移点付近で熱力学量を調べた。高温相と低温相の間の熱力学量のギャップを調べ従来の微分法による計算結果と比較する。
- 若林 直輝 (新潟大院自然)
--- 微分法によるクエンチQCDの状態方程式
有限温度SU(3)ゲージ理論(クエンチドQCD)における状態方程式を、微分法によって研究する。よく用いられる積分法とは異なり、微分法の計算では非等方係数という量が必要になる。その非等方係数を非摂動的に決定し、エネルギー密度や圧力などの熱力学量を計算する。その微分法の結果を、積分法で得られた先行研究の結果と比較することにより、状態方程式の計算方法の信頼度を確認する。
- 森 紳悟 (総研大)
--- Topological susceptibility at high temperature on the lattice
QCD topological susceptibility at high temperature, χt(T), provides an important input for the estimate of the axion abundance in the present Universe. While the model independent determina- tion of χt(T) should be possible from the first principles using lattice QCD, existing methods fail at high temperature, since not only the probability that non-trivial topological sectors appear in the configuration generation process but also the local topological fluctuations get strongly suppressed. We propose a novel method to calculate the temperature dependence of topological susceptibility at high temperature. A feasibility test is performed on a small lattice in the quenched approximation, and the results are compared with the prediction of the dilute instanton gas approximation. It is found that the method works well especially at very high temperature and the result is consistent with the instanton calculus down to T ∼ 2 Tc within the statistical uncertainty.
- 石塚 大晃 (東大院工)
--- Weyl半金属における創発電場に由来する非線形応答
フェルミ面にトポロジカルに保護されたノードを持つWeyl半金属は、その特異な電子状態に由来して、様々な特異な性質を示す。こうした効果の多くは、Weylノードが波数空間におけるBerry位相の磁気モノポールであることと関連付けて理解することができる。本研究では、電場によって駆動されたWeylノードの運動に由来する輸送現象を理論的に研究した。その結果、Berry位相の効果とフェルミ分布関数の変化に由来して光起電力や二次高調波発生が見られることを見出した。
- 池田 惇郎 (阪大理)
--- 最大エントロピー法による有限温度媒質中におけるチャーモニウムの動的性質の解析
格子QCDと最大エントロピー法を用いて熱媒質中を運動するチャーモニウムの性質を解析する。
熱媒質中のチャーモニウムの分散関係およびスペクトル関数のピークの強度の運動量依存性を擬スカラーチャネルおよび、ベクターチャネルの縦波、横波成分について、最大エントロピー法の誤差評価を用いて調べる。
- 山口 辰威 (慶大理工)
--- スピン軌道相互作用によるパリティ混成効果を利用したフェルミ原子気体p波超流動状態の実現へ向けた時間依存BdG方程式を用いた理論解析
冷却フェルミ原子気体系は、物質系におけるフェルミ粒子の多体効果を調べるためのよい量子シミュレーターとして理論・実験両面で盛んに研究されてきたが、異方的なフェルミ粒子多体効果の理解のために実現が急務なp波フェルミ原子気体超流動はp波対分子の短命な寿命により未だ実現していない。このことから我々は近年冷却フェルミ原子気体系で実現したパリティを破るスピン軌道相互作用を用いたp波フェルミ原子気体超流動の新しい実現手法を理論的に提案した。本発表では、我々の提案する手法に必要な相互作用の種類を変えるクエンチ操作によってp波超流動が本当に実現することを時間依存BdG方程式による解析で明らかにする。
- van Wyk Pieter (慶大理工)
--- Superfluid Fermi atom gas in the crossover region and Neutron star equation of state: Similarity and difference on the viewpoint of phase-shift corrections
We investigate the equation of state of an ultracold Fermi gas in the BCS-unitarity crossover region. We go beyond the mean-field approach by including strong coupling effects, following the formalism developed by Noziéres and Schmitt-Rink in the superfluid phase, into the internal energy near absolute zero temperature, which has recently been measured in (_^6)Li Fermi atom gas. We then compare our results with the equation of state of pure neutron matter, expected to exist in the crust and outer core of neutron stars, by including the effects of the neutron-neutron phase shift into our formalism. Our results are expected to make an important contribution in the understanding of neutron star physics.
- 鏡原 大地 (慶大理工)
--- フェルミ原子気体におけるずり粘性率とエントロピー密度の比
フェルミ原子気体のずり粘性率とエントロピー密度の比は、ユニタリー極限において観測された値が、Kovtun, Son, Starinetsにより予想(KSS予想)されたこの比の下限値の数倍にまで迫っているとして注目されている。近年では、相互作用依存性も観測可能となりずり粘性率とエントロピー密度の比はユニタリー極限のものより強結合側に最小値がある可能性が指摘された。本研究では、常流動相に着目し、T行列近似を用いてずり粘性率およびエントロピー密度を解析する。BCS-BECクロスオーバー領域においてずり粘性率とエントロピー密度の最小値を探しKSS予想の下限値と比較するとともに強結合効果や多体効果がどのようにこの比に影響するのを議論する。
- 曽我部 紀之 (慶大理工)
--- カラー超伝導相におけるQCD臨界点の新たな動的臨界現象
ハドロン相とカラー超伝導相の間に存在する可能性のある、高密度QCD臨界点の動的臨界現象について議論する。この臨界点での動的臨界現象は、クォーク物質の超流動性により、これまでの高温QCD臨界点のそれと異なるだけでなく、従来のHohenberg-Halperinの分類に当てはまらない新しいユニバーサリティクラスであることを示す。また、高密度物質実現を目指す将来的な重イオン衝突実験との関連性についても議論する。
- 久野 義人 (名工大物工)
--- 1次元光格子冷却原子系に構築されるU(1) gauge-Higgsモデルの研究
1次元光格子冷却原子系の上で記述される拡張ボースハバードモデルは、低エネルギー有効理論の範囲で格子ゲージ理論におけるU(1)gauge Higgsモデルを導く。これによりその冷却原子系はガウス則を満足した格子ゲージ理論の量子シミュレータとして解釈することができる。本研究ではその冷却原子系量子シミュレータがもつ格子ゲージ理論の動的側面を紹介する。特に、冷却原子系に人工的に構築できる閉じ込め電束の破れ、さらにその冷却原子系では仮想的なHiggsチャージが引き起こすシュインガーメカニズムの発現が数値計算から示唆される。
- 田島 裕之 (慶大理工)
--- 絶対零度近傍の超流動フェルミ原子気体の熱力学的性質と量子揺らぎ
Feshbach共鳴と呼ばれる機構によって粒子間相互作用を実験的に制御できるフェルミ原子気体は、希薄な中性子物質の物理を研究する上での理想的な参照系として注目を集めている。本研究では、強結合理論を用いて絶対零度近傍における超流動フェルミ原子気体の化学ポテンシャル、内部エネルギー、圧縮率といった熱力学量を解析、これらに現れる量子揺らぎの影響を議論する。計算結果は近年$^6$Liフェルミ原子気体において高精度に測定された実験結果と定量的に一致している。
- Fejos Gergely (大阪大学)
--- Fixed point structure of the Abelian Higgs model
The order of the superconducting phase transition is analyzed via the functional renormalization
group approach. For the first time, we derive fully analytic expressions for the β functions of the charge and the self-coupling in the Abelian Higgs model with one complex scalar field in d = 3 dimensions that support the existence of two charged fixed points: an infrared (IR) stable fixed point describing a second-order phase transition and a tritical fixed point controlling the region of the parameter space that is attracted by the former one. It is found that the region separating first- and second-order transitions can be uniquely characterized by the Ginzburg-Landau parameter κ, and the system undergoes a second order transition only if κ>0.62/sqrt(2).
- 丸山 智幸 (日大生物資源)
--- 強磁場中でのシンクロトロン放射による粒子生成
前回発表した、陽子シンクロトロン放射による強磁場中でのπ中間子生成の計算法を発展させ、これまで誰も実現できなかった、10^15Gあるいはそれ以下の現実的に存在する磁場内での粒子生成の相対論的量子計算を実行することが可能となった。されに、これも従来計算できなかった、放射された光の運動量分布も示せるようになった。今回はこれらの結果を示すとともに、強磁場構造を探索する手段としてもシンクロトロン放射の可能性を考える。
- 桑原 幸朗 (早大基幹理工)
--- 非平衡Thermo Field Dynamicsにおける非一様系に対するエネルギーカウンター項の繰り込み
場の量子論では、相互作用項を含まない自由ハミルトニアンと、エネルギーカウンター項との和によって非摂動ハミルトニアンが与えられる。非一様系では、一般に自由ハミルトニアンとエネルギーカウンター項は同時対角化不可能である。しかし、従来はエネルギーカウンター項として自由ハミルトニアンと同時対角化可能な特別なものが導入されていた。また、その際、場の演算子を展開する完全系として自由ハミルトニアンを対角化する裸の完全系が選択されていた。本講演では、非一様系におけるエネルギーカウンター項の一般化について、非平衡Thermo Field Dynamicsの枠組みで議論する。この時、平衡系では非摂動ハミルトニアンを対角化する完全系は裸の完全系と異なるものになることを示す。また、非平衡系では時間依存する完全系によって場の演算子が展開されることを示す。
- 中藤 敬 (名工大院)
--- Honeycomb光格子中におけるhard-core bosonモデルの基底状態相図
近年、honeycomb光格子を用いてHaldaneモデルが実現・観測されたことを受け、我々は近い将来に実験的構成が可能と予想されるhoneycomb光格子中のhard-core bosonモデルを対象とした研究を行った。このモデルはS=1/2モデルに対応させることが可能であり、フラストレーションを有する場合はその複雑さゆえ、未解明な量子現象が多数存在する。本研究では、量子ゆらぎの効果を考慮した経路積分モンテカルロ法を基盤とした数値計算により、基底状態における相構造を明らかにする。特に、最近接格子点間における斥力相互作用や磁束の影響により出現する量子状態について言及する。
- 一ノ瀬 祥一 (静岡県大)
--- 摩擦モデルの非平衡統計力学アプローチ
摩擦のある力学系を幾何学的に取り扱う。発熱のある現象は非平衡統計力学で通常解析される。ここではそれをバネ・ブロック模型とBurridge-Knopoff模型について行う。離散モース理論を使い、時間変数のかわりにステップ数を使う。エネルギー部分に着目し、力学系の計量を求める。これを使い統計ゆらぎを幾何学的に導入する。シュミレーション結果も提示したい。
参考文献:Tribology International 93PA(2016)446,arXiv:1404.6627
- 岩崎 愛一 (二松学舎)
--- QCD monopole sigma meson coupling
かつて、Rubakov効果の研究で明らかになったことの1つに、モノポール周りのカイラル凝縮の存在がある。すなわちモノポールを背景場とするフェルミオン系では、カイラルアノーマリーで、モノポール近辺でカイラル凝縮が現れる。このことは、真空中でのモノポール凝縮が、カイラル凝縮をもたらすことを意味する。ここでは、閉じ込めの双対超電導モデルの
モノポール場と、線形シグマモデルとの相互作用を導入し、モノポール凝縮がカイラル凝縮を導くことを実現する。それゆえ、双対超電導モデルのモノポールが、シグマモデルとの相互作用を通して、パイ中間子等のハドロンと相互作用する。そこから、モノポールが観測されているf_0 meson,双対ゲージ場が、h_1 mesonである可能性を指摘する。
- 只木 孝太郎 (中部大工)
--- A refinement of quantum mechanics by algorithmic randomness
The notion of probability plays a crucial role in quantum mechanics. It appears as the Born rule. In modern mathematics which describes quantum mechanics, however, probability theory means nothing other than measure theory, and therefore any operational characterization of the notion of probability is still missing in quantum mechanics. We present an alternative rule to the Born rule based on the toolkit of algorithmic randomness without reference to the notion of probability. Algorithmic randomness is a field of mathematics which enables us to consider the randomness of an individual infinite sequence. We use the notion of Martin-Loef randomness with respect to Bernoulli measure to state this new rule for specifying the property of the results of quantum measurements in an operational way. We then consider the validity of the new rule, in particular, based on the many-worlds interpretation of quantum mechanics.
- 坂井田 美樹 (阪大理)
--- 重イオン衝突実験における臨界ゆらぎの成長・散逸と観測量への影響
QCD臨界点近傍で保存電荷ゆらぎが示す特異な臨界現象は、臨界点の実験的探索における重要なシグナルとなることが期待されている。本研究では、重イオン衝突実験でのQCD臨界点近傍における保存電荷二次ゆらぎの成長・散逸を確率論的微分方程式を用いて議論するとともに、観測量への影響を考察する。
- 中川 弘一 (星薬大物理)
--- Entanglement Entropies of Non-Equilibrium Finite-Spin Systems
For the purpose of clarifying a new approach to understanding quantum entanglement using thermofield dynamics (TFD), entanglement entropies of non-equilibrium finite-spin systems are examined for both traditional and extended cases. The extended entanglement entropy, $\hat{S}$, is derived, and it is found that the conditions for the maximum entangled state can be obtained through this approach. The capacity of the TFD-based method to distinguish between states in
quantum systems is confirmed.
- 田屋 英俊 (東大院理)
--- QCDにおけるSchwinger機構と強いカラー電場の崩壊過程
高エネルギー散乱や高エネルギー重イオン衝突反応における多重発生機構の微視的理解を念頭に、強いカラー電場からの粒子生成機構であるSchwinger機構を、基礎理論であるQCDに基づいて議論する。特に、生成粒子(クォーク・グルーオン)からの強いカラー電場への遮蔽効果を取り込んだ定式化、ならびに数値計算を行うことで、強いカラー電場がどのように崩壊し、粒子自由度に転化するのか、というダイナミクスを明らかにする。
- 今井 良輔 (早大基幹理工)
--- 冷却原子-共振器系におけるDicke転移の解析
冷却中性原子からなるBose-Einstein凝縮体を共振器中に入れた系では、レーザーによるポンピングを強めていくことでDicke転移を起こすことが実験的に確かめられた。この系はフォトンの出入りがあることから非平衡系であり、実験で実現したDicke転移は非平衡系における相転移現象となっている。本発表では量子場の理論に基づいたモデル化と、そのモデルで記述される相転移の性質について議論する。
- 鈴木 遊 (筑波大数理)
--- カノニカル法における分配関数の位相の研究
QCDの層構造を調べる上で、符号問題は避けて通れない難問である。カノニカル法は有限密度格子QCDに対する有力なアプローチの一つとして古くから知られているが、分配関数の位相という形でやはり符号問題が計算に現れてしまう。
本研究ではこの分配関数の位相の温度依存性や粒子数依存性を通して、カノニカル法における符号問題の扱い方について議論を行う。
- 清水 啓太 (名工大院)
--- 光格子上におけるボースハバードモデルの分数量子ホール状態
近年、極低温原子系における光格子上でのモット絶縁体相と超流動相の相転移現象は広く研究されている。そこで、二次元光格子上の人工磁場下におけるボースハバードモデルを用いて、モット絶縁体相境界近傍の超流動相について研究を行った。本研究では、Gutzwiller近似とチャーン・サイモンズ理論を用いて先行研究で示唆されている分数量子ホール状態について明らかにしたい。
- 松本 杜青 (慶大理工)
--- 強く相互作用する2次元冷却フェルミ原子気体における擬ギャップ現象
近年、2次元冷却フェルミ原子気体リチウム6において、Berezinskii-Kosterlitz-Thouless(BKT)転移を観測したという報告がされ注目を集めている。 クーパー対の分子数の急増や冪的振る舞いから観測されたBKT転移温度は、弱結合領域において従来の位相揺らぎのみを考慮したBKT転移温度と定性的に不一致が見られた。本研究では、超流動揺らぎを考慮した強結合理論を用い、観測されたBKT転移温度近傍におけるクーパー対の形成を、1粒子状態密度に開く擬ギャップ現象から解明し、転移温度の不一致の原因を探る。
- 山本 託也 (島根大院総理工)
--- 有限温度QCD Dirac準位の移動度端における臨界統計
私たちは物理点での2+1フレーバーQCDの高温相におけるKSディラック演算子の準位間隔分布を測定した。これを局在転移に随伴する臨界統計の模型であるq-変形ランダム行列にフィットすることによりスケール不変な移動度端を決定し,3Dアンダーソン模型との同一性を見出した。本発表では格子サイズとサンプル数の増加に伴う精密化を報告し,アンダーソン局在を媒介とする閉じ込め相転移とカイラル相転移の関連について議論する。
- 前澤 祐 (京都大学基礎物理学研究所)
--- 遮蔽質量から迫る中間子熱変化と対称性の回復
有限温度中の中間子遮蔽質量から中間子状態の熱変化や破れたQCD対称性の回復を研究した。アップ/ダウン、ストレンジ、チャームクォークからなる中間子について精緻な格子QCDシミュレーションの結果を示すとともに、ポスターではそこから見える中間子の融解過程やQCD相構造との関係などを議論したいと考えている。
- 安斎 貴昭 (東工大院理)
--- スピン依存磁場中の二次元フェルミ気体の研究
実験技術の進展により冷却原子系では中性原子に人工的な磁場を印加することにより、量子ホール効果といった磁場の関わる興味深い現象を扱うことができる。特に近年では、異なるスピンを持つ原子に対して大きさは等しいが方向が逆向きであるような反平行人工磁場を印加することが可能になった。本研究では、s波相互作用をする反平行磁場中の二次元二成分フェルミ気体を汎関数積分法を用いて理論的に解析し、平均場近似での基底状態の相図や興味深いギャップの振る舞いを明らかにする。
- 金谷 和至 (筑波大物理)
--- Gradient flow法で探るNf=2+1 QCD 熱力学
Makino-Suzukiの方法を用いて、動的クォークを含む(2+1)-flavor QCDのエネルギー・運動量テンソルと状態方程式をgradient flowにより評価し、従来の積分法の結果と比較する。さらに、カイラル・オーダーパラメータとカイラル感受率、トポロジカル感受率の結果も紹介し、それらの温度依存性を議論する。
- 川口 眞実也 (名古屋院理)
--- カイラル有効模型を用いた磁場中におけるロー中間子の質量と崩壊幅
重イオン衝突実験や中性子星などでは強い磁場を伴った環境が実現していると考えられている。そのため、近年では磁場中のハドロン物理についての関心が高まってきている。磁場中では荷電粒子は離散的なエネルギー準位をとることが知られ、ハドロンの質量が変化する。そのため、素朴にはハドロンの崩壊幅も変化することが予想される。本研究では、ロー中間子に注目し、カイラル有効模型を用いた量子補正の評価を行うことによって、定磁場における質量と崩壊幅についての解析を行った。
- 横田 猛 (京大院理)
--- 汎関数くりこみ群に基づいたQCD臨界点におけるソフトモードの新たな描像
QCD臨界点におけるソフトモードの描像は、バリオン数密度揺らぎのスカラーチャンネルへの結合が有限のカレントクォーク質量及び化学ポテンシャルによって引き起こされることで非自明となり、興味が持たれる研究の対象となっている。本研究では、クォーク・中間子模型に対し汎関数くりこみ群法を応用することでスカラーチャンネル及び擬スカラーチャンネルでのスペクトル関数を計算し、QCD臨界点付近でのモードの振る舞いを調べた。その結果、時間的な運動量領域にあったシグマ中間子的なモードの分散関係がQCD臨界点に近付くにつれ空間的な運動量領域に突入し、もともと空間的な運動量領域に存在していた粒子-正孔モードによる寄与と混合し、両モードがソフト化するという振る舞いが得られた。このような両モードのソフト化は従来の研究で予想されていたソフトモードの描像とは異なるものである。我々の手法は局所ポテンシャル近似に基づいているが、波動関数くりこみの考慮といった計算手法の向上についても議論する。
- 本郷 優 (理研iTHES)
--- Schwinger-Keldysh形式における量子ゆらぎの定理
近年の非平衡統計力学の発展は,Jarzynski等式やゆらぎの定理などの熱力学第二法則を含む等式の発見に基づいている.本研究では,非平衡系を記述するSchwinger-Keldysh形式の場の量子論における非平衡等式と,その等式が導く結果について議論する.
- 赤松 幸尚 (阪大院理)
--- Kinetic regime of hydrodynamic fluctuations in the Bjorken expansion
流体力学は平衡状態近くの有効理論であり、相対論的重イオン衝突で作られる超高温物質の記述に適用されてきた。昨今、揺らぎに関する観測量に注目が集まってきており、揺らぎの源についての理解が求められている。揺らぎの源としては主として、初期条件に関する量子揺らぎ、及び揺動散逸定理によって要請される熱的揺らぎがある。本発表では、Bjorken膨張する背景流中でスケールの分離を行うことで、流体力学における熱揺らぎについての新しい見方を紹介する。具体的にはハードな流体モードの運動論的記述を導出し、粘性係数のくりこみ、長時間相関(Long-time tail)、粘性流体の微分展開の分数冪についての簡潔な理解を与える。
- 関野 裕太 (東工大院理)
--- 接触型相互作用する1次元ボース原子気体およびフェルミ原子気体の相関関数
我々は、演算子積展開を用いて、接触型相互作用する1次元ボース気体およびスピンレスフェルミ気体の種々の相関関数を計算した。その結果、動的構造因子や運動量分布の高エネルギー、高運動量領域における漸近的振舞いが解析的に明らかになった。この領域では、相関関数はコンタクトと呼ばれる物理量と密接に関係しており、また、減衰する際のベキは相互作用の強さや密度、温度によらないこともわかった。
- 大野 浩史 (筑波大CCS)
--- Stochastic法を用いたクォーコニウムスペクトル関数の解析
クォーコニウムのスペクトル関数は、高温媒質中でのクォーコニウムの振る舞いや重クォーク輸送に関する情報を多く含んでおり、重イオン衝突実験において生成されるクォーク・グルオン・プラズマの性質を理論的に理解する上で有用である。本研究では、格子QCDシミュレーションで得られたクォーコニウム相関関数から、スペクトル関数を計算する。その際、従来法である最大エントロピー法に加え、stochastic法を適用し、それぞれの結果を比較することで系統誤差について議論する。そして、得られたスペクトル関数の温度依存性を調べ、クォーコニウムの消失温度を見積もる。また、ベクターチャネルのスペクトル関数の低エネルギー領域での振る舞いから、重クォーク拡散係数を計算する。
- 吉村 賢人 (King's College London)
--- Integrable hydrodynamics and its application
冷却原子を用いた実験技術の進展により、ここ最近様々な量子多体系、とりわけ可積分系の非平衡ダイナミクスが理論・実験の両方から活発に研究されている。可積分系の非平衡定常状態はいわゆるGeneralized Gibbs ensemble (GGE)で記述されると信じられているが、具体的にそれを用いて可積分系の非平衡定常状態におけるダイナミクスを研究するのは容易ではない。本研究では、GGEが実現されている系で流体力学はどのように拡張されるか、という自然な問いに初めて答えを与えた。具体的には、異なる温度(化学ポテンシャル)で用意した2つの系を接触させ、長時間待ったのちに実現する定常状態を記述する方程式を求め、数値計算を用いて解いた。今回我々が構築した理論は様々な状況に応用でき、幾つかの例も紹介する予定である。
- 小川 軌明 (理研仁科セ)
--- 魚類網膜錐体モザイク形成のモデル化と解析
魚類などの網膜に見られる錐体細胞モザイクパターンについて、その形成過程を物理モデル化し解析する。これにより、モザイクパターンの向き付けは特別な因子なしに決定されることなどを示す。
- 筒井 翔一朗 (京大院理)
--- Bose-Einstein凝縮体の動的生成現象について
相対論的重イオン衝突の初期には、グルーオン飽和と呼ばれる現象のために、高密度のグルーオン系が実現していると考えられている。このような状態は過占有(overpopulated)と呼ばれ、系が平衡状態へ緩和する過程のある段階において、Bose-Einstein凝縮体(BEC)が形成されると予想されている。
このような現象は、ボソン系であれば普遍的に起きると予想される。そこで我々は、O(N)対称性を持つスカラー場の理論に対して、過占有状態にある系の非平衡ダイナミクスを、二粒子既約法と呼ばれる非摂動的な枠組みで解析を行った。その結果、系が大域的な平衡状態に至る前であっても、ソフトモードのセクターは実効的に有限の化学ポテンシャルをもつ熱分布に従うことが分かった。この化学ポテンシャルの時間変化は、初期状態の粒子数に強く依存する。特に粒子数が多い場合は、化学ポテンシャルの値が粒子の有効質量に近づき、ゼロ運動量モードの粒子数が著しく増大する
ことが明らかになった。本講演ではこれらの結果を紹介する。
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